ElectroVoice RE-20 – DYNAX ギターレコーディング マイク

ギターレコーディング マイク としてのRE-20

ギターレコーディング マイク は様々な物があり、どのマイクも「そのマイクが持つ特性」があります。その事により、同じ ギターキャビネット で録音してもマイクが異なることでサウンドの質感は大きく変わります。
「質感が変わる=音の良し悪し」ではなく、レコーディングされる周波数が異なることで出音自体が変わりますので、その曲の中で「どのマイクが合うのか?」や「このジャンルであればこの定番マイク」などを選定する上でも多くのマイクでギターキャビネットを録音したサウンドをプレビューできることは、制作現場において大きなアドバンテージになります。

本ページで紹介するマイクの特性は以下となります。
ギターサウンドの収音で採用しているケースは決して多くはありませんが、パワフルなリズムギターのサウンドが欲しい場合にはぜひ試してみてください。
オーバードライブでも耳障りになることなく、パワフルでありながらしっかりとニュアンスを表現してくれます。
高域の情報量が豊かで、ローミッドが非常にクリアなのでミキサーでのイコライジング操作も快適です。

ElectroVoice RE-20 に関して

アメリカの老舗音響ブランドであるElectro-Voiceの創業は1927年。
実に100年に迫る歴史を持つ世界を代表するブランドであり、創業当初はマイクメーカーとしてスタートしました。1934年に現在のマイクでも使用されているハムバッキングコイルを使用したノイズレスマイクロフォンの開発で一躍トップブランドの地位を確立し、1946年にはミシガン州ブキャナンに本拠を移し、スピーカーを中心とした音響機器部門にも事業を拡大しました。ここでもマイク開発で培った高い技術力が大きく活かされたといいます。
Electro-Voice社のマイクは世界が宇宙開発に注目した60年代にNASAのマーキュリー計画のもと宇宙飛行士ジョン・グレンと共に宇宙へと飛び立った経緯があるほか、ハリウッド映画の全盛期に映画の集音用マイクとしてもElectro Voice社はアカデミー賞を受賞しています。このように、Electro-Voice社のマイクは高い評価と華々しい採用実績があります。

そんな歴史を持つElectro-Voice社が1968年に発表し、時代に応じたマイナーチェンジを繰り返しながらも今なお作り続けられているマイクが今回ご紹介する〝RE20〟です。
世界のあらゆる現場でその存在感を発揮し続けてきたロングセラーマイクであり、その特徴的なボリューム感も相まって貫禄すら感じさせます。
最大の特徴はダイアフラムの背面に精密な間隔でスロットを空けた独自技術「Variable-D」の存在です。これにより近接効果を最小限にまで減らすことに成功し、不要な低音の増加による歪みやダブつきを抑え、非常にすっきりとした音像での録音が可能となりました。
180度背面でも同じ周波数特性を実現した単一指向性マイクとなっています。

大口径ダイアフラムを採用しており、広帯域にわたってスムーズな周波数特性と大音圧収音を可能としており、他の音源が近い場合でも音のディテール感と明瞭感を損ないません。
コンデンサーマイクに近いパフォーマンスを備えていると言えます。
また、100Hz~400Hzの帯域を-4.5dbカットする低域ロールオフスイッチも備えていることでより汎用性を高めています。

RE20はダイナミックマイクであることから、ファンタム電源のコンデンサーマイクで見られる過負荷や歪みの心配がなく、コンデンサーマイクが苦手とする高湿度および高温の環境でも使用できるという優位性もメリットとして挙げられます。
インストゥルメントマイクや放送マイクの世界標準となっており、Variable-Dによる輪郭のハッキリしたピュアな低域、コンデンサーマイク並に高域までフラットに伸びたレンジの広さは古くから多くのエンジニアに支持されています。
また、堅牢なスチールボディによる耐久性も高いことからライブ、スタジオでも幅広く使用されています。

サウンドはクリアで活気に満ちたカッティングトーンが心地よく、中低域はコシのあるリッチな質感があり、美味しいところを上手く引き出してくれるのでベースアンプや男性ボーカルの収音にもおすすめです。ウッドベースやサックスでの使用例も多く見かけますね。

キックマイクとしては現代のキック専用マイクと比較するとミッドレンジがやや厚く、よりヴィンテージなドラムトーンを求める場合にはうってつけの選択肢となります。
雰囲気がよりモダンな場合は、300〜500 Hzの範囲でEQをカットし、よりミッドレンジの存在感を高めることをおすすめします。

最近は新鋭ブランドの台頭もあり選択肢が増えてきているのは嬉しい限りですが、クラシックでストレートなサウンドが欲しくなった際に音響機器の黎明期を駆け抜けてきたElectro-Voice社のサウンドで思いを馳せるのも面白いかもしれません。

特徴
・Variable-Dカプセル搭載による近接効果を最小限に
・ダイナミックマイクの中でも比較的ワイドレンジな特性
・コンデンサーマイクに近いパフォーマンス
・100Hz~400Hzの帯域を-4.5dbカットする低域ロールオフスイッチ
・放送局における世界スタンダード
・滑らかでナチュラルな音響特性

製品スペック
形式: ダイナミックマイク
指向特性:単一指向性
周波数範囲:45Hz-18kHz
感度:1.5mV/Pa
出力インピーダンス:50/150/250Ω
出力レベル:-57dB
寸法:54.4mm×217 mm
重量:737g
電源:なし
端子:XLR

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